科学者

Stap細胞をめぐる騒動。いかにも秀才といった感じの科学者たちが、口をそろえて件の女性研究者を責めたてる。教わった通りの手順を踏んで、教わったとおりにデータを処理し、厳密に「科学的」であることを第一優先順位だと信じてきた彼らにとって、件の助成研究者の「いい加減さ」は許せないのだろう。

しかし、どうなんだろう。科学者のコミュニティーにとっては、発見にいたるプロセスの厳密性が大事なのだろうが、素人にしてみれば、「結局、Stap細胞ってあるの、ないの?」―つまり結果の方が重要に思える。科学研究の結果は、やがて技術化され、製品化・商品化されて、私たちにさまざまな便益をもたらしてくれるからだ。

プロセスが厳密であっても、たいした成果がでない科学研究と、プロセスが多少逸脱的であっても、画期的な成果を出してくれる科学研究とでは、どっちが高く評価されるべきなのか。これはそう簡単ではない。

どうも、この女性研究者は、科学的発見とその応用、そしてそれによる人間や社会の福祉の向上の方に強い関心を寄せているように思える。応用の可能性を秘めた発見(結果)の方が、よほど重要だと考えているのだろうと思う。


コメント

このブログの人気の投稿

充電USBケーブル

鉄の女

大学全入の虚構